新しいチェーン展開

平成になって顕著になった消費者の行動は、価格に対する厳しさです。製品の均質化が進み、安かろう悪かろうという従来の商品のイメージが変わった結果、同じものなら安いところで買おうという消費行動を引き起こしたのです。

なかでも家電品と衣料品については、目覚ましい成長を遂げた会社がありました。平成までの代表的な家電製品というと、三種の神器の時代からのいわゆるシロモノ家電といわれている洗濯機、冷蔵庫などから、ビデオの登場によりAV機器に移り、さらにマイクロソフト社のウインドウズの発売に伴いパソコンが主力商品の一つとなりました。

家電品についてはいわゆるメーカーの系列店が主流だった時代から、量販店の時代へと移り、さらに平成になってからはそれら量販店とは別に、従来はカメラの量販を中心とした業態や、新興勢力の台頭が相次ぎました。破綻した百貨店のあとにカメラ系家電販売店が入店したり、百貨店やスーパーの売り場にそれらの業態が入居することは珍しいことではなくなったので。

一方、衣料品の分野では、やはり低価格のユニクロがブームを起こしました。これほど短期間に同一メーカーのファッション製品を国民が持つようなことはかつてなかったことです。ユニクロが安さとともに、ファッションも提供しているのに比べると「しまむら」という衣料品店の成長も見逃せません。日用衣料に限定して、とにかく安いを売りものにした同社は根強さをもっています。