昭和50年代後半、小売に代わる新たな収益源の開拓を模索していた流通業界には、クレジットの分野で大きな変革がありました。
西武百貨店は昭和51年に月賦百貨店の緑屋の経営に参画し、西武クレジット(現クレディセゾン)を発足させ、57年にはグループ統一自社カード「セゾン」を発行しました。伊勢丹も62年に「Iカード」を発行、翌年には大丸が分割とリボルビングのそれぞれのカードを発行しました。
チェーンストアでは、ダイエーが昭和51年に朝日クレジットを設立していましたが、月賦百貨店丸興に資本参加したのを機に両者が合併し、ダイエーファイナンス(現オーエムシーカード)が設立されました。昭和56年にはジャスコが日本クレジットサービス(現イオンクレジットサービス)を、57円にはニチイがニチイクレジットサービス(現ポケットカード)を設立しています。
これらの会社は、小売本業をサポートするとともに、信販会社や銀行系のクレジット会社とは別の流通系クレジット会社として提携や国際化を図るなど、独自の道を切り開いていくことになります。