昭和30年から翌年の好景気は「神武景気」と呼ばれ、日本経済は実質9%の高い成長を遂げ、国際収支も5億3,500万ドル余りの黒字を計上しました。
このような好景気の中、昭和30年4月に日本電信電話公社(現NTT)が通話料金の銀行口座振替を実施。これを皮切りに昭和40年代に入ると、この制度は公共料金は勿論、税金、学費、保険料等広い範囲で実施されるようになりました。クレジット分野では、日本ダイナーズクラブ(現シティコープダイナースクラブジャパン)が業界の先鞭として、昭和37年1月から利用代金の口座自動振替を実施。消費者にとっても毎月の集金の煩わしさから解放されることや、支払いに必要な現金を保管しておく必要のないことなどの利点により広がりました。
また、当初クレジット会社の事務処理は支払いの管理、信用調査、代金の回収など全て手作業で行われていましたが、コンピューター技術の進展に伴い、それぞれの業務で合理化、省力化が図られました。このような口座振替の普及や事務の合理化は、その後のクレジット業界発展要因の一つといえます。