稲の貸借から始まった日本の金銭貸借

日本の金銭貸借の起源は奈良時代の「出挙(すいこ)」に遡ることができます。

元々は時の政府が広く農民に対して、春先に種籾を貸し付けて、収穫時に米で返済するものでした。農民にすれば、春先に種籾が支給されるわけですから、貯蔵している米は全て食べてしまってもよく、一種の福祉政策であり、税のようなものでした。

それが和同開珎という貨幣の登場によって、金銭貸借へと形を変えていきました。和同開珎は、当時としてはもの凄い勢いで社会に浸透したようです。

[出挙]時代を経るに従い、政府が行う「公出挙(くすいこ)」に加え、荘園領主や寺院が行う「私出挙(しすいこ)」も登場した。高利をむさぼる大寺院もあったそうである。