クレジットの草創と広がり-古代社会のクレジット

フランスのルーブル美術館にある「ハムラビ法典」には、世界最古の金銭の貸借に関する記述があります。

「ハムラビ法典」の作られた約3800年前、チグリス・ユーフラテス川の流域に栄えたメソポタミヤ文明では、灌漑農業を背景にした経済が発展し、商取引が盛んでした。ここで貸し借りされていたのは大麦と銀貨です。「法典」によると、当時の貸付最高利率は穀物の場合には年30%、銀貨では年20%でした。

はるかに遠い古代の社会にもクレジット(金融取引)が、人々の生活の中に確かに息吹いていたことがわかります。

 

【ハムラビ法典】

紀元前1700年頃つくられた世界最古の法典。「目には目を。歯には歯を」等の言葉が有名だが、当時の金銭貸借についての記述がある。

固定利息を超えた債権者には罰が与えられ債権が取り上げられることや、洪水・干ばつ時等の債務の免除、土地等の財産を担保にできるが、本人の妻子や奴隷など「人」も担保にできることなどが書かれている。